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オガワの腹ん中。

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胸をはって借りを作る!

今日は思いっきり「腹ん中」します。

トラウマ、なんていうと大仰ですけど、
過去の体験が、何年経っても影を落として、
その先へどうしても踏み越えられないっていうことが、
きっと誰にもあるような気がします。

私はね、自己肯定が下手なんです。
まわりの人たちがいくら「しーちゃんいいよ!」「面白いよ!」って言ってくれても、
ひとりになると、すぐ心がしぼんじゃって、
私はなにもできない、できていない!っていう気持ちになっちゃう。

考えました。
なんですぐしぼんじゃうのか。
「周囲はイイネと言ってくれるけれど、
 外へ出ようとすると拒まれる」光景にはとても既視感があります。

それについて、今日はちゃんと書いておこうと思うのです。

私が大学を卒業した年。
ちまたは「就職超氷河期」だかなんだかで、
どこへ行っても、少しも受け入れてもらえませんでした。

友人や、就職課の先生は言ってくれるのです。
「オガワさんにはこんなにいいところがあるんだから、
 それを受け入れてくれる場所がきっとある!」

……ねーのよ。
そんなとこ、ぜんぜんねーの。

卒業してから半年後、ある演劇誌の編集アシスタントの椅子を許され、
でも多忙期のみの勤務だったから、半月ずつ通販電話受付バイトと掛け持ちしながら、

親が買ったワンルームマンションに住んでいました。

まわりには「親戚の持ち物で家賃は払っている」と見栄を張ったけれど、
でも実際は、家賃は全面的に免除でした。

恥ずかしくてね。それがとっても。
「うわあ、お嬢さんなんだねー!」って言われちゃうことが、
とてもとてもコンプレックスでした。

それでも預金残高が危機を迎えることがたびたびあって、
そのことを母に打ち明けるといくらか振り込んでもらえてるっていう、

「経済的宙ぶらりん状態」がここから始まります。

2年でその演劇誌を離れ、とある週刊情報紙の編集部に入ったけれど、
まるで、まるで水が合わず、
ほんっっとうに使いものにならなくて半年で契約解除。

「外の世界では私は使いものにならない」という認識のまま、
私はフリーライターになりました。

「宙ぶらりん」はその後も続きます。
ていうか、言っちゃえば今だってそうです。
フリーライターという「いつ仕事が入るかわからない人間」を置いてくれるアルバイト先など見つからず、
見つかってもつぶれちゃったり切られちゃったりで、
よし本気出すぞと飛び込んだリフレクソロジーのバイトも研修受けただけで脱落。

ずーっと、ずーーーっとうしろめたかった。

今の私は、ほぼ無職です。
ライターのお仕事はほぼ請けていません。

来月はまあギリだけど、
再来月の家賃をどーするんだか、まるで見えてません。

「このご時勢、みんなそうだよー」って誰かが言います。
「縛られるのが嫌だから自分で安定を手放したんでしょう?」とも。

そうなんです。
でも、私は、それを楽しめてない。
なぜなのか。

「最初に拒絶された」という強い実感が、
常に根底にあるからだと思うのです。

見渡す限り、どの人もみんな普通に仕事に就いているのに、
私は社会から、他者から、許されていない。

悲しい。とても悲しい初期値です。

今日、足もみさせてくれた友人は、
「命のお金」っていう言い方をしてくれました。

「私はね、しーちゃんの命が輝ききるために、
 このお金を使ってほしいの」。

そう言って、足もみ料を手渡してくれました。
きれいなカードとラッピングを添えて。

「どーしてしーちゃんがそんなに自分を責めるのかわからない!」
そうも言われました。
「しーちゃんが今持ってるすべてがリソースなんだよ!」

「リソース」の意味をこっそりググったのは言うまでもありません。

でもね、その友人が包んでくれたお金は、
家族みんなが暮らしていくための、「命のお金」の一部なんです。

ごめんなさい、って思ってしまった。とっさに。
そしてそのことにまたごめんなさいって思った。

胸を張らなくちゃ。
私の「リソース」を信じてくれる人たちがいる。

今はちょっとずつ、これからの「保健室」活動には、
私のこれまで全部が「使える」らしいとわかってきました。

閉じなくてはいけないと思っていた、インタビューライターのキャリアでさえもです。

それだけで食べていくには時間がかかるだろうけれど、
でも、それでもそっちに向かって走りたいと思っています。

どうなるんだろう。
わからないけど、でも、ひとつだけ思ってることがあります。

これから私は、人の力を借りまくって生きていく。

人と交わって、関わって、
迷惑だってある程度かけちゃって、
そのたびに「ありがとう」を噛みしめながら。

誰にも迷惑かけない人生より、
「ありがとう」にあふれた人生のほうが、きっと豊かだ。

知人友人の皆さま。
こう見えて、これは私の、一世一代の大冒険です。
どうかご覚悟をー!



by shibe0814 | 2016-09-27 19:39 | オガワの腹ん中

お疲れ気味のあなたのもとへ行き、足を揉んだり話を聞いたり、ちょっと元気になってもらう「旅する保健室」の小川志津子がいろいろと書いてます


by 小川志津子