オガワの腹ん中。

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またしても時間旅行。

「映画美学校」っていうところで働いていたご縁があって、
映画監督の篠崎誠さんが、立教大学でゲスト監督を招いてシンポジウムするその様を、
文字起こしするべく、新座キャンパスを2回、訪れました。

初回は想田和弘さんと深田晃司さん。
2回めの今日は、是枝裕和さんでした。

彼の、20年近く前の作品に、『ワンダフルライフ』っていう映画があります。

人は、死後、ある収容施設に入れられて、
「自分の人生でとびっきりの瞬間」をひとつだけ選んで、
それを職員総出で映画にして(ほんまもんの技術スタッフさんたち)、
死者たちは、その上映を観ながら成仏する。っていうお話。

物語の登場人物(つまり俳優が演じる役たち)とまるで等価に、
素人さんの、おじいちゃんやおばあちゃんたちの、
ほんまもんの人生経験を、職員たち(俳優と是枝さん)が聞き出し、
それを映像にするくだりがあります。

若かりし私は、その営みに惹かれました。
私がもし、この施設を訪れる日が来たら、
「選ぶ」側ではなく「聞き出す」側にまわりたい。
そういう職業ってどこかにないのかしら。

……と、思って、今に至ります。

今日、文字起こしに行って来た篠崎さんのシンポジウムの、
テーマは「3.11以降の映像表現について」なのだけれど、
彼は、自分の実感にないことはしない、という姿勢において一貫されており、
おこがましいけど私もだー!って腹の底で叫んでしまった瞬間があり、

でもね、あの日の私を思い出した時、ちょっと悲しくなったんです。

私はこのところ、インタビューのお仕事から離れています。
自分の意図じゃありません。来なくなっちゃったの。でもね、
「来ない」ってことは、何か私に理由があるんだと思って、
おずおずと、引き下がろうとしているところです。

でもあの映画を観た日の私は、もっと無邪気に、
いろんな人に話しを聞いてまわりたーい!って思って、
やりたいことみつけたー!!って、思っていたはずなんです。

どうしてこんなに怖くなっちゃったんだろう。
何を失うのが怖くて、引き下がろうとしているんだろう。

見ると、『ワンダフルライフ』の頃には小学生だったという学生さんが、
是枝さんと丁々発止で、突っ込んだり突っ込まれたりしています。

自分はこれまでそういうことを、自分に禁じながら生きてきた。
でもねーそのことで逃したものが多すぎる。
止まってる時間が長すぎるー!

私は、ここからしばらくの人生を、
「怖いものが怖くなくなる」ために使いたいと思います。

はーー盛りだくさんだった。
おやすみなさいー。
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by shibe0814 | 2016-03-01 00:46 | オガワの腹ん中

お疲れ気味のあなたのもとへ行き、足を揉んだり話を聞いたり、ちょっと元気になってもらう「旅する保健室」の小川志津子がいろいろと書いてます


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